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タケダの自家製土佐小夏
関西のサラリーマン家庭で育った少年が小学生の頃、生命力のすばらしさに目覚め、漠然と「作物を育てる仕事をしたい 」と思い立ち、その夢を叶えるために大学の農学部に進学し、縁あって南国高知・武田青果へ“跡取り”としてやってきました。それが、現社長である3代目・博之です。
小夏は「花の開花とともに収穫をする」というおもしろい特徴があります。多くのミカンは、春から初夏にかけて花を咲かせ、順を追って実を結び、収穫をするのですが、小夏は果実が完熟するのが年を越してからになりますので、収穫は次の年の花が咲く頃と同時期になります。
タケダのハウスは高知市池地区にあります。四国八十八ヶ所で有名な竹林寺のある五台山(ごだいさん)のふもとから約10分南東へ車を走らせた静かで日当りの良い場所にあります。
同じハウス内でも、直接太陽光線の当たるところと影になるところでは照度が違います。1月でも6万ルクスもある箇所があります。やはり南国高知! (日本では3~9月に6~8万ルクスになるとされ ています。柑橘類に必要な照度は27,000~58,000 ルクスです)
収穫は1玉1玉状態を確認しながら、丁寧に手で摘み取ります。 土壌の水分の量を測り、適度な水分を土佐小夏に与えます。点滴潅水ですので、小夏に細かい根が増え、糖度の高い果実になります。 冬でも日中はハウスの中は暖かく、20度以上になる日が多々あります。そんな時、天窓の自動開閉装置が作動し、ハウス内を一定温度より上昇しない工夫をしています。 この土佐小夏は、一見地面にそのまま植え付けられているように見えますが、実は「水は適すけれど根を通さない」特殊なシートを畝の下に埋め込み、土地のもともとの土と隔離した状態で栽培しています。
これによって土壌水分をコントロールできるようになり、高糖度な土佐小夏づくりが可能になりました。水はけがよく、急な山の斜面に栽培されているという条件を再現しています。
こだわりが高じてはじめた小夏の自家栽培。
毎年タケダ農園で美味しい小夏を収穫しています。
自家栽培小夏を始めた理由
大学で学んだ知識を生かし、2代目・文男とともに果物の仕入れから販売に精を出す日々を送るのですが、いつしか2人は「生産者の園地をまわって仕入れをするだけでなく、自分たちの手で育てた果物をお客様へお届けしたい。」という気持ちに駆られるようになりました。
すっかり意気投合!「農業はたいへんだから」という周囲の反対を押し切り、小夏のハウス栽培へ乗り出しました。栽培のノウハウを、おつきあいのある生産者の方や書物から学び奮闘しつつ30余年。毎年、収穫時期には喜びでいっ ぱいです。
タケダ農園の様子
花と実が同時に木についたおもしろい光景とさわやかな花の香りの中で楽しく収穫を行います。
おいしい小夏のための
小道具とポイント